落とし込み釣行記2008/11月

 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態  餌 釣果 サイズ
11月22日
(土)
博多沖防 25 満05:44
干11:46
15 西 普通

スーパーサイズは!

サンバの季節も終了の笛間近。マシに釣れるのはもう壱岐郷ノ浦か離島ぐらいだろう。しかし、フェリーや高速船も料金値上がりで気軽に行けなくなってしまった。

チヌはこれから良型がポツポツ期待できるのは長崎港かな。あとは山口・大分と遠方になってくる。

車の燃料代もバカにならない。高速料金休日・祝日2年限定1000円乗り放題や定額給付金という一見ウレシイ追加経済対策もどっちみち税金の使い回しの目くらまし戦略。ニコニコしている内に増税で縛り上げられてるだろう。

年貢米を基準より大きめの升で計り盗る優しげな役人ごとく。農民が後で、

「お役人さま、それはあんまりですだ。」

と言って泣きすがるも、

「えーい、やかましい!もう決まったことだっ!」

って。道路関係の天下りや年金問題なんかの税泥・理不尽だけを暴き、真面目に生活している者がほぞを噛む思いをせずにすむホントの列島改造をする将軍様が現れて欲しい。


それで、3連休を豪華に行けない僕は、謹んで博多沖防だ。シーバスかチヌでもと、早朝から「はやと丸」に乗る。

6時はまだ真っ暗。でも、シーバス餌のアジゴは早く行かないと釣れない。一番船に集まったのは、年金暮らしのハルナさんと同じくそのお友達のヤマグチさんという方、僕を入れて6人ぐらい。盛期に比べると淋しいもんです。

ハルナさんの誘いで切れ波止で3人並んでアジゴ釣り。やっとのこと10匹ぐらい確保して、ハルナさんはソロバンに波止替わり(80cmと73cm釣っていた。)僕と、ヤマグチさんはそのままそこで釣る。

最初はアジゴの落とし込みで切れ波止を探り歩くも1回45cmぐらいのがオーバーハングから出てきて少しアジゴを追ってからまた戻っただけ。浮子泳がせもズボッと浮子を沈めるヤツはヒットしない。

ヤマグチさんは、

「アジゴも釣れんようになった。」

とぼやき、おねんねしてしまう。水温測ると15℃。チヌの可能性は95%ないね。


昨日まで雨が降っていたが久しぶりの快晴でポカポカ暖かくなり、雨に塵を払われた大気は、ありのままの自然があった大昔のそれのように澄み切って遠くの山筋までくっきりと見える。

先日作った竿受けで竿をクーラーにセットして、紅葉が彩る山をうっとりと眺めたり、福岡空港目指して超低空で滑空してくる飛行機を仰いだり、ときどき浮子を見たりしていると、まぶたが閉じてくる。のんびりといい休日だ。


そう思っていると、起きだしたヤマグチさんが波止内側を見ながらいきなり走り出した。

せっかく開きかけた体のひだがきゅっとしぼむ。

ジイサンが血相変えてなんダと思ったら、その視線の先の海面に赤茶色の大きな物体がズーンと泳いでる。エイ?じゃない。イカだ。モンゴウイカだ。1mはあろうかと思える巨体。

ジイサンそれにシーバスの仕掛けを投げて一発で掛ける。


これからが大変。

陽気の中、気持ちよく泳いでいただろうイカは突然の攻撃に遭い波止から魚雷が発射したかと思う速さでシューッ。よれよれチヌ竿に3号ハリスのタックルでは魚雷のなすがまま。アッという間に数十メートル沖に走られた。

しかし、ドラッグを緩めたり締めたり、さすが歴戦の老釣り師。30分ほどあやしてとうとうタモの届くところまで寄せてきた。

老人とモンゴウイカ

見ていた僕は立場上イヤでも掬い役となる。僕のタモじゃ壊されると思ってジイサンのタモを持って掬いに掛かるが、相手が大きすぎてしかも硬くツルツルしてて半分しか入らずツルッと抜ける。ジイサン業を煮やして僕からタモを取り上げ自分で掬い上げようとする。が、イカはタモごと波止にぶつかりタモ網を破るは柄は曲がって折れそうになるは鈎がはずれて逃げ出すは。ジイサン、又、執拗に掛けて

「船長に電話して!」

僕は、イカごときでぇ?!と思ったが、しょうがない。電話するも、あいにく船長、遠くにいる。

掬うすべもない巨大イカと、ただただ釣り師の意地のように執念深く対決しているさまは、まるでヘミングウェイの「老人と海」。

僕はもう横目で見ながら、知らん顔するのも悪いし、どうするべぇと思っていると、波止近くの作業船の横にいた船が見かねて、

「アミ貸しましょうかぁ?」

とマイクで呼びかけてくれた。これこそ助け船。

「たのんます!」

と叫ぶ。船が寄ってきて船員が孟宗竹の長い柄のタモを手渡してくれた。しかし、肝心の網が小さい。チャレンジするもイカの3分の1も入らない。僕が手を合わせて返上したら、船長、

「待っときない。フックがあるケン。ちょっと待っときない。」

とマイクで言ってまた作業船のほうに戻る。


これが博多のまだまだヨカとこタイね。テロ対策やらなんやで波止釣りもできなくなりつつある他の港湾でこんなことやってくれるかな?職務専念がどうのとか言う人がいたら、僕はその人を哀れみますね。

イカもウレシ

結局、船は事ができたようで戻ってこず、その、15分ぐらい後、はやと丸が駆けつけてくれて、船長がデカイタモを取りだし一発で掬う。

ちょうど船に乗っていたクニナカさんとエンヤコラ引き上げてようやく騒動は収まった。

ソデイカは1m05cm。重量10kg秤を振りきるスーパーサイズ。

長い戦いを征し、サメにも喰われずにすんだ巨イカを満足げに持ち帰る老人を見送って、一人残った僕は12時に帰るつもりが騒動で釣りしたような気持ちにならず、15時まで延長。

もち、結果は何も変わらなかったけど。


いやぁ、チヌ釣りばかりに凝り固まるもいいけど、こんな面白いことがたびたび起こるし、今や風前の灯火となりつつあるニッポン人の人情を感じた博多沖防でした。


 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態  餌 釣果 サイズ
11月16日
(日)
山口県 19 満10:56
干16:55
- 雨のち曇 無〜西 やや濁 カラス
フジツボ

釣りの邂逅

落とし込みはチヌとの邂逅(カイコウ)を楽しむ釣り。これはどの釣りでもあてはまるものだが、特に、歩いて釣る落とし込みは邂逅という言葉がより似合う。

落とし込みでは、チヌをどのようなアプローチで釣り上げるかを楽しむ。釣り場や落とし込むポイント、餌、糸、鈎、オモリ、餌の入れ方、歩くピッチ、落とし方など。

その楽しみは釣りをはじめる何日も前から始まっていることも多い。大型だったり小さかったりと、相手は釣り上げるまで分からないが、自分の描いたアプローチどおりにいって狙った魚と巡り合ったときほど満足する。

魚そのものを得るのを目的としたバアイだ。


しかし、いつも、ストーリーどおりに釣果が出ることは少ない。だから、釣り人は熱くなるのだが。



今回は山口にチヌ釣りに行ったが、チヌとの邂逅は1度もなかった。

袖も振ってくれなかった。たくさん大きなのがいたのに僕を一瞥してプイとアッチへいっちまった。

ストーリーはぶっ壊れて、他の仲間は頑張っているけど、とうとう昼には地面に仰向けになって、もう初冬とは思えない暖かさに眠くなり、思わずまどろんだり、空を眺めてしばらく過ごしていたぐらいだった。



ただ、もう一つ。僕の釣りには楽しみがある。

それは、釣りを通しての人や生き物・草木・光・風…との邂逅。


これまで釣りをしてできた釣友だけでも数知れない。

ときには1回かぎりでそれきり会わない人もいるが、世界の67億の人類の中から一生のうちに出会う人は67億分のわずか。そのたった1回でも僕の人生に影響していると思っている。それが良かったのか悪かったかは死ぬまで分からないことも数多くあるだろうけど。


この日は、沖防で出会った仲間とその仲間の友達と8人で連れだっての釣行だった。

車の中や釣り場での会話。これもとても楽しい。潤った。

みんな釣りをしていなかったら全く出会わなかった面々ばかりなんだよね。その一人一人が僕の人生を知らぬ間に動かしている。いくら強引に自分の道を突っ走っても、その一人一人の影響を受けているのは否めない事実であり、人間っていうのはオギャーと生まれたときから関係的存在で、なおかつ宇宙の有情非情に生かされていることはときどき思い出さないとイケナイ。


そしてまた、釣り場で出会ったのは、休会している会員の林さんやその友達たくさん。(まとめてスミマセン)

去年ここで久しぶりに会えた森さん。1年ぶりにまたお会いできた関東から来られた高橋さんとは、今、大阪で問題になっている堤防・護岸の立ち入り禁止の件についての話も。

これ知らない人は「大阪 釣り禁止」などでネット検索してみると分かる。対岸の火事ではない。子どもと「ちょっと釣りに行こうか」もできない世の中になるなんて、どこか山の奥か、離島に隠れ住んだ方が人間らしい生き方ができるかもしれない。


そんなことを考えさせてくれるのも釣りの邂逅の一つ。


そして、みんなで記念写真を撮った。

林さんがシャシンを送ってくれた。


ありがとうです。

釣りの邂逅写真

 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態  餌 釣果 サイズ
11月9日
(日)
長崎県 5 満06:05
干12:12
22.0 北東強 B玉
カニ
サンバ

サンバ症

博多沖防ばかり行っていると、サンバ釣行にも誘ってもらえなくなった。

淋しいなぁと思ってるとクマさんからお誘いをいただく。同行はよっちゃん。

二人は落とし込み石鯛にどっぷりと浸かり、寝違えが永遠に続いているようにそっちを向いて、チヌには首はおろか目も動かさないサンバ症となっている。

そのお二人からお誘いを賜ったのでうやうやしく二つ返事をしたのだった。


日曜日はお日様も出る予定のサンバ日和のはずだった、が、夕方からいきなり天気予報が変わり、午前中雨、風は4mまでになった。

4mってたいしたことないようだが、海では強風となることはこれまでの経験から僕の中では常識となっている。

夜中に車でよっちゃんの家に向かう途中、草木はすごい揺れをしている。これは10m近くは吹いているはず。

ところがクマさんの家に二人で行くと、不思議なことに穏やかなもの。

クマさん、

「二人とも悪い夢見よったんよ。」

おかしいなぁと思って船着き場に行くとやっぱり吹いてる。波止に上がるとさらにひどい。寒い。


クマさん・よっちゃんは気合いが入っているかと思っていたがそうでもなく、僕に釣座を選ばしてくれて、船に乗るまでに船着き場で釣ったアジゴを餌に、泳がせをやっている。

僕はせっかくいい釣り座に構えさしてもらったので、横風の中、ひたすらサンバ釣りで餌を打ち返す。B玉には全く反応しないので、B玉にハサミで切れ込みを入れてポンポンと撒きながらカニを使う。


竿はイソスペシャル4号。リールはアブの5500道糸PE6号、ハリス10号。1号ナマリにガン玉6B2コ。鈎は伊勢尼15号からカニ用にヒラメ14号に替えている。


小さいアタリなんか風で全く分からない。

そう言うと、よっちゃん、

「喰えば、関係なしにグーッといくから。」

といいながら、自分はアジゴを流したり、ついにはエギを出してイカ釣りをしたり。しまいには、

「まだ釣ると〜?帰らん?」


二人ははじめからあきらめているのか、僕に釣らせるために来たのか???


寒さに足がガクガクなるのを我慢しながら底1m程上で惰性で打ち返していた11時頃、風でぶれていた穂先がスッと曲がって元に戻った。

これはもしかしたら本命?急いで上げてカニをまた2匹付ける。

今度は、仕掛けが落ち着いたとたんにグッ・グーッと押さえていった。

落とし込みサンバ 笑

これでも、刺身。アラは塩焼きで最高!


キッター!

引きは期待に反してそんなに強くない。上がってきたのはシマシマ。タモを出したけど、結局ブリ上げ。

どうも僕に来るのはなぜか小型。それでも、やっと寄ってきたかと3人気合いが入ったけど、それきり竿は沈黙したまま2時の納竿。

今回も良型は来なかった。でも、サンバ釣りはやっぱりワイワイ言いながら釣るのが楽しい。

水温も例年になく高いし、竿造りにまで症状が進行してる二人のビョーキに感染したようで、できればもう1回行きたいかなぁ。



 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態  餌 釣果 サイズ
11月2日
(日)
博多沖防
(46)
5 満12:10
干05:38
20.0 サヨリ

サヨリ編

11月にもなると、博多沖防でのチヌ落とし込みは、魚がいない海に餌を落としている水中の映像がフラッシュバックのように頭をよぎって空しい。

それでもまだ黙々と落とし込み続けてるフリークには脱帽。


僕は秋の第1級の楽しみであるサンバ釣行も機を逃し続け、残り1ヶ月あまりの沖防波止渡しの時間をどうしたら楽しめるかに頭をめぐらせている。


せめて落とし込み竿は持ちたい。けれど、前回の落とし込みシーバスは結構、体こわばったなぁ。

では、こだわりを捨てて、シーバスのアジゴ浮子泳がせにするかと、土曜日9時頃に沖防に渡って、餌のアジゴ釣りからはじめたら、これが全く釣れない。他にすることがなくカニで落とし込み。1回潰されたのが惜しかった。


帰りに船長、にったりとして、

「アー、今日から暗いうちにしかアジゴ釣れんようになったもんねぇ。今日から!」


釣りにいってあちこちで波止渡し・瀬渡しの船長が言う慰めのような追い打ち。

「昨日まで釣れてたんだけどネー。」


収まりがつかず、日曜は早起きして、2便に乗った。まだぼんやりと薄暗い。アジゴ釣り開始。


せっかく早起きしてきたっていうのに、その見返りは2匹だけ。昇った強い陽射しが終了を告げる。

心細いまま泳がせ開始。


30分ほどして、よそ見してから浮子を見ると、消えている。

え?フリーにしたリールから糸が走っている。止めるとガクンと手応え。ラッキー!

エラ洗い・絞り込みといいファイトだ。結構大きい。にんまりしながらとタモを出すと、パッ…鈎ハズレ。

ちぇーッ!


2匹目のアジゴで再度やるけど、もう釣れない。船長から3匹アジゴ買って今度は落とし込みシーバスをやる。

チェイスはある。

40〜50cmのシーバスが下から浮いてきてアタックする。けど、アジゴも必死。シューッと海面まで逃げてよける。

何度も戦闘機のように攻撃を繰り返すもアジゴの逃げ勝ち。糸に繋がれた囮のアジゴさえうまくロックオンできないとはシーバスの細長い体は急転回には向いていないようだ。

気持ちがノらず、予定していた、サヨリ釣り開始。

何でもするゾ、今日は。



サヨリの釣り方


まず、大きめのタッパーなんかに海水を入れる。底が深いと座って撒きにくい。それにジャンボアミを撒き餌ビシャク大1杯入れる。殆ど海水ね。あまりアミが濃いとサヨリはお腹いっぱいになってサヨウナラ。

ヒシャクで断続的にパシャッと撒く。サヨリの姿がちらほら見えだしたら仕掛けを作る。作る間も撒く。

撒き餌はヒシャクで足下に水を撒く感じ。遠くに撒くと、段々ポイントが遠くなってしまうから。


竿はハヤ用の4.5m。安ーいヤツ。糸はとりあえず2号。飛ばし用マジックボールとアタリ浮子は、ま、何でもいいんだけど、カヤ浮子小。鈎はハリス0.8の赤袖6号。浮子下は、15cmぐらいかな。


サシアミを付けて足下にヒシャク半杯。竿下に振り込んでサヨリが餌に寄ってきて止まって餌を咥えるのが見える。そこでピシッとアワせてもいいし、浮子が動いてアワせてもいいしいいし。


船長は

「餌見て釣ったら数がでる。」

見釣りの場合は、サヨリが餌を咥えて沖向きなら普通にアワセ、横向きなら向きと反対方向にアワセ。こっちを向いて喰ってるときはアタリ浮子の頭が沈むまで待たないとはずれてしまう。

まだ、サヨリは小さい。割りばしサイズ。

釣り上げたらお礼にヒシャク半杯。鈎をはずして餌を付けて、またヒシャク半杯。んで振り込む。入れ食い。あ、こっちサヨリ釣りの鉄則


たかがサヨリと思っても、釣れだしたら、水を飲む暇さえ惜しくなるのは性分ってものかな。クーラーに座っているにもかかわらず、あまりしてない動きなので、これも疲れる〜。


たくさん釣ると、さばくのがヤーになるので、70ぐらい釣ったかなーってところで終わり。

08-11-2サヨリ

これから旬


さて、釣ったはいいけど、これどうする?刺身は小さいかも。塩焼きはいいかな。

船長に言ったら、

「アー、ワタとって、歯ブラシで腹の中の黒いところこすって取って、開いて、骨を抜いて冷蔵庫で一夜干しにしたらヨカよォ。」


「それいいね!」

開くの面倒だから、やらない。ウロコは手で擦ったら取れるから簡単ね。アジゴよりさばきやすい。エラに必ずついてる白い寄生虫はいただけないけど。

きれいに洗って、濃いめの立て塩に15分ほど漬けて拭く。冷蔵庫の引き出しのトレイに割り箸並べてその上からサヨリを並べる。数が多いので2段重ね。そのまま引き出しへ。はい、次の朝、一夜干しのできあがり。

サヨリ一夜干し作業 サヨリ一夜干し作業冷蔵庫へ

並べて冷蔵庫で一晩。
生の塩焼きも最高でした(^-^)

干し網も持ってるけど、網汚れてるから洗うの面倒だし、魚によって干す時間が微妙だし。


昔、コッパグロ、いっぱい釣ったので、ヅケにして、残りを干し編みで夕方から次の日昼頃まで干してたら。

カッチカチやで!